雑・ホビーの工作

4 フィールドコイルスピーカの製作
フィールドコイルスピーカーへの改造は、まったく簡単です。

もしお手元に、落としてしまって磁力が弱くなって左右バランスが取れないものがあれば、遊んでみる価値はあリます。スピー。スピーカー1個に対して1時間でOKです。。

用意するものは、カッターナイフ、磁気回路を開けるねじ回し、、電力を導入するための穴あけドリル

噂が尾ひれを付けてアルニコマグネットよりもフィールドコイルのほうが磁力が強いと信じている人が、多いでしょうが、オリジナルでは、どれもアルニコの半分でした。
製作した電磁コイル
左上:375用24V1.2A約30W
右上:JensenXF101用24V1A24W
左下:515用24V1A24W
右下:288用24V1A24W

白いのはコイル用巻き芯。
375の改造
上中:元のアルニコマグネット。 3050g
上右:音道をガイドにした旋盤加工したセンターホール。材質は軟鉄の黒革材。
左下:ホールピース。JBLのケースは、鋳物のねずみ鉄で出来ていた。
右下:ヨークと磁気回路。今回の場合ダイヤフラムは外す必要がありません。。
同、2個目
アルテック 288

今回改造したのは、375と288と515ですが、、裏蓋を開けてダイヤフラムを見る必要は無いです。
この位置にカッターナイフを挿しいれ、木槌で叩くと貝は蓋を開けます。
すかさずドライバーを差し入れて、こじ開ける。
磁石はケース側についてくるから、ケースから磁石を外す。この時点で磁力は失われるから、元の磁力には戻らない。尚当方磁力回復の手段有りませんからご勘弁を。
同、アルテック288

左上:ケースはJBLより上等な材質で、旋盤加工した軟鉄のようでした。
左中:旋盤加工した音道と、磁気回路。
左下:288用アルニコマグネット。 1530g
ヨークとセンターポールが既にアルミ材で引き離されているの出非常に合理的、裏蓋やダイヤフラムを見なくともよい。(素人が開けると事故りますよ。)
ダイヤフラムは外さなかったが、とりあえずゴミを取った。
とりあえず測定。ギャップの中に測定子が入らない(1mm)ので、ギャップの付け根の磁力を測定。
平均でアルニコの375は2500〜4600G、288が3800〜4000G、LE85が2400〜3400G、515が8000〜9000G。
(515のみギャップ内)

改造したフィールドは、375は最大2000G、288が2000〜2500G、LE85が1500〜1600G、515が3200Gとなった。
JensenのXF101は1000〜3000Gとムラが多かった。

ずいぶんこういうものを売ったような気がするが、こんなにムラがあると思わなかった。ダイヤフラムが変形するのはこういうところに原因があるのかと。
工作の不備より、材料のムラに起因することもあるのかと思ったしだいです。
同、LE85

この改造はオススメしません。イコライザーがのりで付いているので精度がでません。
余った磁石。

当方では、ゴミを焼いた後の釘拾いに重宝してます。

作り方は鋳造というので、とても素人では無理で
価格については中国製で、1kg1万円近くということです。

愚痴をひとつ。
ニッケル合金は非常に高い。電解ニッケル1kg国際価格で1500円くらいなのに、当方が同ニッケル、Vニッケル、パーマロイシートも買おうと思うと、2万円は言われます。銅などはスクラップが400円で売れ、トランス用銅線は1kg1100円くらいなので、近隣国のようにスピードが大事かと。

左上:LE85の磁気回路 左中:175旧 左下:175 右中:AL802-16
これらの磁気回路は同じ人が作ったと思うほど似ています。どれも磁石の高さが36.4mmと、共通している。噂ですけど、マグネットは日立で作っていたらしい、との話があります。
上中の175は音道がスズ合金で出来ているので、薄くて割れやすく、外すときに割れました。半田が水分を吸って膨れるように、ジェンセンの610も音道が割れてボイスコイルとタッチすることがあるのと同様です。
中左の175の音道は鉄合金出来ているので、割れる心配が少ないです。
中右の802-16は音道の厚みが倍になって、強化されています。
右の鉄リング三個は、磁石を外した後に付ける磁気回路。
下三個は共通のフィールドコイル。8W、8V1Aのもの。
磁石の重さはLE85と175が同じ重さで860g、旧175が550g、802-16が560gでした。
磁気回路は長い方が磁力が強くなることはOK、推奨クロス周波が、何故LE85が500で175が1200になるのかは不明です。
旧175の磁石が一番小さいのはホールピースの炭素が少ないので、透磁率が上がっているためと、思われます。
小生の感想として、スピーカーが鳴らなくなる原因の開放として十倍以上の価格差を乗り越えて、永久磁石になったのに何故また磁力の弱いフィールドコイルかというとやりつくして、いろいろ選択の余地が広がったかと思っています。
昔、375と594を同じホーンに付けて聞き比べていましたが、音圧も音離れも375が上と思っていますが、クラシカルな音楽は電源を半波整流にしたり電圧を下げて使うと、またそれなりに面白い物があります。実験してください。

尚、当方商売ですから、磁気回路のセンターピース2個とコイル2個6万円でお作りします、宜しく。JBL175(新・旧)、アルテック802は4万円です。

あの名機も中を開けると、なんとなく悲しいものがある。
小生が最初に買ったスピーカーは、PAXの30Fだった。ドライバーが壊れたときに開けたときは、死んだ。
写真は、アルテックの412。
写真はアルテックの416-8。今までボイスコイルが515Bと同じと思っていた。巻き幅が半分ほど。

JBLスピーカー1964当時の小売値は$
D130:102
130A:96
150−4:138
LE15:129
175:96
85:144
275:132
275:228
hartfield1台:993
paragon1台:2250

下写真4枚はWE型を使わなかった兄弟?
よく似ている、
RCA
TRU-52
BLK15
BLK15
RCAのフルレンジ
よく出来ている

このフィールドコイルに10W以上入れると、磁力が飽和するのか直線性が無くなる。

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